ご挨拶 

日本健康科学学会 第24回学術大会開催にあたって

第24回学術大会長          
武藤 志真子(女子栄養大学)

  1985年に設立された日本健康科学学会は、保健・医療・看護・介護・福祉・栄養・食品・運動から代替医療まで、幅広く「積極的な健康」への取り組みを考えていこうとする学会です。2005年から始ったわが国の「人口減少時代」と「超高齢化時代」を迎え、「積極的な健康」への取り組みが今こそ必要と考えます。
  まさに平成20年から、医療制度改革に伴い医療保険者は、特定健診・保健指導(40歳〜74歳の被保険者・被扶養者対象)を行うことが義務付けられるという新しい時代を迎えます。メタボリックシンドロームに着目した特定保健指導には、医師、保健師、管理栄養士、運動指導者はじめとする保健関係者やアウトソーシングを引き受ける様々な団体・企業の叡智を結集する必要があると考えます。高齢社会の中で、健診データ管理から介護まで健康サービスもビジネス界の協力を必要とする時代を迎えておりますが、科学的で効果があり、対象者の満足を得られる質の高いサービスの提供が求められます。しかしながら、政・官・財の中心には国民自身、住民自身の参加に基づく主体的な健康づくりが位置づけられる必要があるというのが私の考えです。
  私が大学で新しく登場した保健学を学んだ頃は、病気の治療から予防医学へ、予防からリハビリまでの総合医学というのが呼び声でした。しかしそれは医師とその周辺にいるパラメディカルといわれた医療従事者が中心でした。現在では、国民が中心という観点、衣・食・住・運動・喫煙・飲酒・心の安らぎ・満足など人々自身の日常生活習慣という観点、サービスという観点、ビジネスという観点というように視点の広がりと向きの変化が見られます。また情報を始めとするテクノロジーやその利用などの面でも著しい革新があり、現在も続いています。同時にエビデンスベースという科学的視点にも厳しい目が向けられるようになり、政・官はもちろんのこと科学者にもビジネス界にも倫理が求められていま す。
  世界でトップにたつ「超高齢社会」を実現したことは、私たち日本人は誇りにすべきことと思っております。東洋の片隅に位置する日本ですが、世界中の人が日本に行けば穏やかで生き生きした長い人生が送れる、もちろん日々安全で美味しいものが食べられる、安心して子どもを育てられると憧れるような、新・黄金の国ジャパンを目指したいものです。
  以上のようなことを考えながら、栄養大学で開催ということもあってメインテーマを「栄養学と健康科学のコラボレーション」とし、サブテーマを 〜健康サービスビジネス元年をふまえて〜 と致しました。
  本学術大会が、上記のような夢をご参加頂けます皆様とともに実現していくための先駆けとなりますことを心より願っております。どうぞ、ふるってご参加下さいますようお願い申しあげます。